『使命の本質』(松島修): 書評・ブックレビュー

 

私は現在、あるコミュニティで幸せの生き方を学んでいます。

そのコミュニティで本書の著者の松島修さんの講演を聴く機会がありました。

 

この時点ではまだ本書を読んでいなかったので、全く予備知識のない状態でお話をお聴きすることに。

講演はとても魅力的で、私が悩んでいることがたくさん含まれている内容でした。

 

そこで、講演後すぐに本を購入して読みました。

本書ではさまざまな視点から「使命」について語られています。

当コンテンツの書評では、「人生の使命」を中心にまとめました。

 

なお本書には、お金や仕事・会社経営に関する内容も多く含まれています。

このあたりは別の機会にまとめたいと思っています。

 

 

本書の概要など

「使命の本質」の写真画像

 

ビジネスと人生で一番大切な「使命の本質と実践」。

おそらく世界で初めて明文化した書籍「ビジネスと人生に飛躍をもたらす使命の本質」。

 

 

目次

はじめに

  1. 使命の本質
  2. 自分の使命を知る
  3. 仕事の本質
  4. 使命経営・帝王学
  5. 使命の特徴
  6. 使命が全ての問題を解決する
  7. 使命はイノベーションをもたらす
  8. お金・投資と使命
  9. 激動の時代は使命に進むチャンス

あとがき

 

著者(松島修)プロフィール

1960 年東京生まれ。法政大学工学部電気工学科卒。

日本最大規模の顧客を抱える投資顧問業者。エフピーネット有限会社 代表取締役。

資産コンサルタント。実務家。

CFP(Certified Financial Planner)、宅地建物取引主任者、元CFP 試験問題作成委員。

FP、FXの第一人者として、『日経新聞』『日経マネー』などの執筆・取材やテレビ東京『クロージングベル』『E-morning』などのテレビ出演など、マスコミに数多く取り上げられる。

超有力投資家ジョージ・ソロスさえも予測できなかった金融危機前の相場のピークのピークに全ての相場を止める時と事前に警告した唯一の投資アドバイザーとしても知られている。

 

 

人生で一番大切なことは「使命」

使命・ミッション(mission)の写真画像

「使命」は人生の目的

 

 

使命は人生の目的であり、真の成功、最高の人生の秘訣(ひけつ)です。

そして、使命は生まれる前に与えられているので、気づくものです。

 

本書の「はじめに」には上記の記述があります。

使命は、単順に「自分の好きなこと」「やりたいこと」というわけでもなさそうです。

また、運命や宿命、自己犠牲的なものとも違うとのこと。

 

では、人生で一番大切な「自分の使命」とは何なのか?

どうしても知りたくなります。

 

 

使命の本質とは

重要・大切を示す写真画像

「どう生きるか」が使命の本質

 

 

本書によれば、使命の本質とは「どう生きるか」。

世俗的でもなく、宗教的でもないとのこと。

 

✖ 何をしたいか(世俗的)
✖ 何をすべきか(宗教的)

〇 どう生きるか(使命的)

 

自己中心的にならず、自己犠牲的にならず、どのように生きるのかがポイントとなりそうです。

 

使命の本質 6つの視点

本書では、使命の本質を6つの視点から考察しています。

 

  1. 世の中を良い方向に永続的に変革する
  2. 天国のような良い環境を創る
  3. 7つの富(真の富)を拡大する
  4. 正しいマインドセットを身につける
  5. 正しいマインドセットを拡大する
  6. 間違ったものを正しいものにしていく

 

この中で「7つの富(真の富)」とは、下記のすべてを合わせたものとのこと。

①お金などの資産
②才能
③知恵
④愛情
⑤環境
⑥自分と言う富
⑦使命

 

確かに、この7つの富をバランスよく拡大していくことができれば、真に豊かな人生が送れそうです。

また逆に、7つの富に偏りがありすぎると、幸せになることができないとも言えそうです。

 

 

成功の基本3原則

使命の本質(6つの視点)の中の「正しいマインドセットを身につける」。

成功のために必要となる基本について、本書では次の3つを挙げています。

 

①愛されている存在。愛を動機にする。

②存在だけで価値がある。

③人生の目的は世の中を良い方向に永続的に変革すること

 

「愛されている」というのは、人は天から愛されている存在とのこと。

もちろん、自分の周りの人々から愛されていれば、それもまた素晴らしいことだと思います。

 

天から愛されているのだとすれば、自分は存在するだけで価値がある、と思うことができますよね。

変に自己嫌悪に陥る必要もありません。

 

そして、自分が生きている間は、その世の中を少しでも良いものにするというのは、とても自然なことのように思えます。

誰でも世の中や環境を改善したいと思うものなのではないでしょうか。

 

自分の使命を知ろう

虫眼鏡をのぞく男性のイラスト画像

自分の使命を知る方法

 

 

 

では、自分の使命に気付くためにはどうすればいいのでしょうか。

本書では、まず自分の性格を認識して、その性格の得意なことをやるというのがいいとしています。

 

性格から使命を知る

性格から使命の方向を探るチェックリストが掲載されています。

ここで診断する性格には4つのタイプがあるとのこと。

 

「獅子タイプ(社交型、外交型)」

「雄牛タイプ(目的志向型)」

「人タイプ(内省型)」

「鷲タイプ(鳥瞰型)」

 

また「性格ドットコム」というサイトも紹介されています。

ネットでも同じように診断ができるのでぜひやってみてください。

 

自分がどういう人なのかを認識できれば、使命の方向が明確になるとのこと。

まずはそこを探るとよさそうですね。

 

また、使命はチームで達成するものとか。

チームを作る上でも、まわりの人の性格タイプを知っておくことは大切と言えます。

 

自分の使命を知る6つのアプローチ

 

自分の性格タイプを知ると、使命の方向が見えてきます。

本書では、自分の使命を知るための6つの方法を提示しています。

 

  1. 性格
  2. 役割
  3. 才能
  4. 過去
  5. 現在
  6. 未来

 

この6つのアプローチで、自分の使命の方向性をさらに知ることができるそうです。

 

 

使命の特徴とは

注目ポイントを示す男性の写真画像

使命の特徴は「自然体」「豊かさ」

 

 

本書では、使命とは「どう生きるか」であるとしています。

当然、自己中心的ではいけません。

 

 

「使命」は自然体

あなたの心が楽で、楽しくて、本来の自分らしくあるとき、あなたは最大限の能力を発揮する、とのこと。

表裏のない素の状態、自然体がいちばん強い。(使命)

 

そのためには、正いマインドセットを行う必要があるでしょう。

その上で「自分らしさ」とは何か、ということを見極めたいですね。

 

人は、テレビ、SNS、他人の言動などに影響されることも多くあります。

しかし、それでは「自分の使命」に気づくことは難しいでしょう。

 

使命は自分でつくるものではなく、生まれる前から与えられているものとか。

ひとり一人の性格や価値観が異なるのも、それなら納得がいきます。

自分の使命にどうやって気づいていくか、というのがポイントになりそうです。

 

 

使命の「3つの豊かさ」

「真に豊かであること」 = 「使命」

豊かさには3つの側面がある、としています。
・存在の豊かさ (存在するだけで価値がある)
・精神的な豊かさ (感謝される・他人の役にたつ)
・物質的な豊かさ (お金・健康・美しさなどの目に見える豊かさ)
通常は、物質的な豊かさから求めていく人がほとんどです。
しかし、「存在の豊かさ」から求めていくのが正しいマインドセットとのこと。
確かに、これがなければ自分の存在意義もあやふやになりますし、使命を感じることもできないでしょう。
もう少し別の言葉であらわすと、私たちは「幸せになることが使命」ということのようです。
物質的な豊かさで一時で気に幸福感を得ることはできるかもしれません。
しかし、人生における使命を考えれば、真に豊かになることで真の幸せになる、といえそうです。

 

 

使命に進むために

指をさす女性の写真画像

使命に進むときのポイント

 

自己中心的にならない

私たちは現状を打破しようとするとき、なんとか自分の力で成し遂げようと思うものですよね。

他者に頼らずになんとかしようとするというのは、一見すばらしいことのように思えます。

しかし、自分のやりたいようにやってみるというのは、「自己中心的」と捉えることもできます。

 

自分やその存在が世の中の役に立つものであるためには、自分の力だけでなんとかするというのは難しいでしょう。

「社会の中で自分が生かされている」「世の中をもっとより良くしていく」というものがないと、それは使命とは呼べません。

そうでなければ、すべて自己中心的な行動となってしまいます。

 

使命の偽物に注意を

使命のように見えて、じつは偽物というものがあることに注意が必要です。

本書では、「定められた道・絶対的な運命・宿命」と表現しています。

 

言葉の響きが似ていることもあり、運命・宿命のような概念と使命を結び付けてしまう可能性があります。

あらためて「使命の本質」(下記)からずれないように注意しなければなりません。

 

  • 自然体で生きる
  • 天とともに歩む
  • 真の富を拡大する
  • 真に豊かになる
  • 世の中を良い方に永続的に変革する

 

 

使命には領域がある

私たちに与えられた使命には「領域」があると言います。

ここでいう領域とは「自分が最も能力や影響力を発揮できる範囲」のこと。

 

使命の領域では権威が与えられ、仕事などもスムーズに進みます。

しかし、自分の領域でない分野では、大変な努力が必要になったりストレスが多くなったりするそうです。

 

あなたの性格や経験、才能などで自分を生かせるものが変わってきます。

また、あなたの役割と権威を知ることも重要なポイントです。

 

たとえば、他の人は苦労するのにあなたは簡単にできてしまうこと。

あなたの性格が「獅子タイプ」で外交型なら、営業や接客といった職種が仕事での役割には向いているでしょう。

そして、能力を発揮すれば「権威」を獲得することができます。

 

このように、あなたに与えられた使命の領域を知り、生かしていくことが大切と言えそうです。

 

激動の時代は使命に進むチャンス

チャンスを示す女性の写真画像

使命に進むチャンスがきている

 

 

確かに現在は激動の時代といえるかもしれません。

たとえば、異常気象、災害、疫病、金融危機、戦争など。

 

著者によれば、これらによって世界が使命の方向に進むことを促されている、としています。

 

人は他人を幸せにすることで幸せを感じる生き物なので、自分だけの成功を目的にした人に真の幸せはありません。

 

 

使命はまず、方向性を定めるのが大切なようです。

自分の使命の方向を知るためには、いくつかの段階が必要です。

 

まずは「性格分析」。

自分の性格タイプを知ることから。(性格ドットコム

 

「獅子タイプ(社交型、外交型)」

「雄牛タイプ(目的志向型)」

「人タイプ(内省型)」

「鷲タイプ(鳥瞰型)」

 

 

そして「役割分析」。

自分に合った役割タイプを知る必要があります。

 

  • 開拓者タイプ (突破口を開ける)
  • 助言者タイプ (アドバイスする)
  • 伝道者タイプ (人をつないで伝える)
  • 応援者タイプ (励ます・寄り添う)
  • 司書タイプ (高い事務処理能力)

 

これらの分析を活用して、「自分の使命」を見つけていきたいですね。

 

まとめ

「使命の本質」をまとめると、次のようになります。

 

使命とは・・・

 

  1. 世の中を良い方向に永続的に変革する
  2. 天国のような良い環境を創る
  3. 7つの富を拡大する
  4. 正しいマインドセットを身につける
  5. 正しいマインドセットを拡大する
  6. 間違ったものを正しいものにしていく
  7. 天とともに歩む
  8. 喜んで正しく生活をする
  9. 真に豊かになる
  10. 幸せになる

 

 

 

 

使命を知るためには、自分の性格・役割を分析する必要があります。

そして、「自分に合った自分の使命」を見つけたいですね。

著者の松島さんは企業のコンサルティングもしています。

当コンテンツではあまり紹介しませんでしたが、本書には経営に関する記述も多くあります。

起業家や経営者の方にも大いに参考になる内容だと思います。

 

 

著者の松島修さんは、ほかにも多くの本を出されています。

興味のあるものがあれば手に取ってみてください。